パソコンをインターネット上の情報を入手・発信する通信機器として考え、その仕組みについて説明する。現在、発展しているインターネットは双方向通信が可能であり、さらに文字・音声・画像などを融合したマルチメディアも扱える。多様な情報を扱うため通信機器としてはコンピュータや携帯電話などが用いられている。
6.1 コンピュータの仕組み「情報機器と情報社会のしくみ素材集」 6.1.1 ハードウェア
(a)入力装置 (b) 中央処理装置(CPU) (c) 記憶装置 (d) 出力装置
6.1.2 ソフトウェアソフトウェアは、ハードウェアに何らかの処理を行わせるための命令の集合であり、基本ソフトウェア(OS)と応用ソフトウェア(アプリ)に大別される。(a) 基本ソフトウェア(Operating System
OS) (b) 応用ソフトウェア(Application
Software) (c) 教育用ソフトウェア 6.2 インターネットについて インターネットとは各組織のネットワーク(Local Area
Network LAN)同士を結んだ世界最大のコンピュータネットワークのことである。通信プロトコルとしてTCP/IPが用いられ、電気的に表現したデジタル信号を通信回線を利用して送受信する。 6.2.1 パソコン通信ネットワークに接続するためにはネットワークカード(NIC)を装着。現在ほとんどのコンピュータはこのNICが標準装備されている。6.2.2 コンピュータ同士の接続(a) HUB(ハブ)集線装置(Concentrator)ともいう。HUBを中心にして各コンピュータを(スター状)に接続することによってネットワークを構築する。 (b) LAN(ラン)
6.2.3 LAN同士の接続
(a) ルーター (b) IPアドレス 202を2進数に変換する. 202 = 101×2+0 101 = 50×2+1 50 = 25×2+0 25 = 12×2+1 12 = 6×2+0 6 = 3×2+0 3 = 1×2+1 1 = 0×2+1 商が0になり終了 202 = (101×2+0)×20 = (50×2+1)×21+0×20 = (25×2+0)×22+1×21+0×20 = (12×2+1)×23+0×22+1×21+0×20 = ( 6×2+0)×24+1×23+0×22+1×21+0×20 = ( 3×2+0)×25+0×24+1×23+0×22+1×21+0×20 = ( 1×2+1)×26+0×25+0×24+1×23+0×22+1×21+0×20 = ( 0×2+1)×27+1×26+0×25+0×24+1×23+0×22+1×21+0×20 = 1×27+1×26+0×25+0×24+1×23+0×22+1×21+0×20 = (11001010)2
IPアドレスは、インターネット上の住所のようなものであり、コンピュータを識別するための32ビットの番号である。この番号は、ネットワーク番号とホスト番号に分かれており、ネットワーク番号はLANを表し、ホスト番号はそのLAN内でコンピュータを識別するために利用される。ネットワーク番号とホスト番号の分け方により、クラスA・クラスB・クラスCなどに分類される。例えばクラスAでは24ビットのコンピュータに番号を割り当てることができる。すなわち、224
=
16777216個のコンピュータに番号を割り当てることができる(すべてが0とすべてが1の番号は除外されるので、実際は224 -2 =
16777214個である)。IPアドレスは、アパートの住所に例えられる。すなわち、アパートの住所がネットワーク番号で、そのアパート内の号室がホスト番号と考えることができる。アパートの所有者は、アパートの住所を変えることはできないが、どの部屋を何号室にするかを決めることはできる。
IPアドレスのように数字の羅列では人間にとってわかりにくいので、一般の住所のように属する国、組織などによって階層的につけた名前をドメイン名と呼ぶ。 ドメイン名 IPアドレス www.yamaguchi-pu.ac.jp ⇔ 202.245.136.11 また、IPアドレスとドメイン名を変換するシステムをDNS(Domain Name System)と呼ぶ。ドメイン名では、階層を「.」によって表現する。そして、一番右にある項目をトップレベルドメインと呼ぶ。例えば、.com, .edu, .jpなど。また、ドメイン名は、トップレベルドメインが組織の属性であるgTLDと国名であるccTLDに大別される。 ccTLD(Country Code Top-Level Domain) ・国名:日本 jp、イギリス uk、カナダ ca など ・組織の属性:大学・学術機関 ac、政府機関 go、企業 co、ネットワークサービス ne など ・組織名:yamaguchi-pu 山口県立大学 など ・ホスト:WWW など 例、首相官邸 http://www.kantei.go.jp 「.jp」ドメインを管理しているのは、Japan Network Information center(JPNIC)と呼ばれる日本の組織である。 gTLD (Generic Top-Level Domain) 企業:com(誰でも取得可能)、大学:edu(米国教育省公認の認定機関から認可された 教育機関)、政府機関:gov(米国政府機関) アメリカでは多くの組織がgLTDを採用しているため、ドメイン名で国名は省略されることが多い。 例、ホワイトハウス http://www.whitehouse.gov/
(d) TCP/IP
6.2.4 インターネットへの接続家庭などでは、インターネット接続業者(プロバイダ)を経由して、インターネットに接続する。プロバイダへの接続は、電話回線やISDNの回線によって接続するダイアルアップ接続は減少し、FTTH、CATV、ADSLなどのブロードバンド接続が主流となっている。(a) FTTH 現在のブロードバンド接続の主流である。光ファイバを用いた家庭向けの高速デジタル通信網。家庭まで直接光ファイバを引き込む。 YAHOO BB(b) CATV CATV網とは、CATVセンターと各家庭を通信ケーブルを分岐させながら結んだネットワーク網のこと。最初は、地上波テレビの難視聴対策で作られた。 ケーブルには同軸ケーブルが用いられてきたが、現在は光ファイバ(FTTN: Fiber to The Node)も使われるようになってきた。CATV網は伝送帯域が大きいので、最近ではインターネット 接続などにも用いられている。 山口ケーブルテレビビジョン(c) ADSL
6.2.5 インターネットにおける様々なサービス
(a) WWW 6.2.6 通信の暗号化インターネットが発達してくるにつれ、情報セキュリティの重要性が増している。情報セキュリティを高める手段の一つに情報を暗号化するという方法がある。情報を暗号化すれば、たとえ、情報が盗まれたとしても、その中身を容易に解読することはできない。
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